滋賀県振興−地域経済と法律事務所
「集住率上昇幅、滋賀県が全国トップ」との記事を目にしました。2022年1月8日の日経新聞朝刊です。↓↓↓
謙抑的な滋賀県のこと、全国トップを張るというのは極めて珍しいわけですが、ともあれ、県内の各自治体の取り組みが功を奏しているようで、まずはなによりです。
「集住」とは、住民の居住地を集中させることを意味しており、「公共投資や行政サービスの集中配分を可能とすることから、人口が減少し税収も縮小していく中で、生産性を向上させる不可欠な政策」とのことです。
滋賀県は、関西2府4県で唯一、人口が増加している地域(2010年と2020年とを比較して、0.2%増)であり、加えて、各自治体がコンパクトシティー化を目指して利便性を向上させようとしているため、集住率の上昇幅が大きくなっているようです。
弊事務所が所在する草津市においても、高層マンションが次々と建設され、子育て世代が目に見えて増えている印象を受けます。
私の実家のある大阪府豊中市から滋賀県に戻ってくると、街を歩く子どもの姿の多さを実感いたします(と同時に、大阪の高齢者の割合の多さにも驚きます)。
大津、草津、栗東、守山、野洲といった各市は、JR琵琶湖線で大阪や京都まで乗り換えなしで行くことができ、さらに、新快速を使えば、例えば草津であれば大阪まで1時間以内です。
加えて、大阪・京都に比べて地価が安く、不動産が相対的に安い。
このように、一定程度の利便性+不動産の安さが、ファミリー層にウケているものと思われます。
他方で、現在の人口増は、立地といったハード面のメリットによるところが大きく、大津市や草津市の住民サービスが優れている、というソフト面でのメリットが評価されてのことではないように思われます。
そのように理解すると、教育や子育て支援に税収を重点配分し、ソフト面のメリットを高めることで、ファミリー層からの選好をさらに高める余地があるといえるのではないでしょうか。
数十年先を見据えて地方都市を発展させることを考えるなら、子どもの数を増やすということは極めて重要なファクターであるはず。例えば大阪のように人口流出・高齢化に歯止めがかからなくなっている都市がある中で、滋賀県は、人口増を目指すことができる数少ない地域のひとつと言えます。
テレワークの導入がすすみ、必ずしも大都市に住まなければ仕事ができないわけではなくなり、そうした意味でも、ますます地方都市に人々の眼が向いている今が、滋賀が大きく飛躍するチャンスのように思えてなりません。
そして、そうした地方都市の進興という枠組みの中で、法律事務所というものを、地域を支えるインフラとして機能させることが、弊事務所の願いです。
住民が増え、企業が増えるところに残念ながら法的紛争が産まれます。どれほどIT化が進もうが、紛争がなくなることはあり得ないのではないでしょうか。争いもまた、人間の本質のひとつだからです。
そうした紛争の適切な調整役として地方都市を、滋賀を支えるインフラとなる、そこに弊事務所の存在価値があるのではないかと。
2022年最初の記事として、所信表明的な内容とさせて頂きました。
本年も弊事務所を何卒よろしくお願い申し上げます。