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2023-01-19

ペッカリーグローブ(アンライニング)徹底解剖 革手袋の使い勝手

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こんにちは。齋藤です。

2023年一発目の話題は革手袋の話です。

紳士的アイテム?というものは数あれど、なかなか手が回りにくいのがこの革手袋というモノだと思います。

スーツや靴、バッグにはある程度お金をかけることは理解できるが、手袋にまでお金をかける必要がどこまであるのか、そのようなご意見はもっともで、革手袋は実用品というよりも、マニアックなファッションアイテムというような位置づけである気はいたします。

しかし、何はともあれ、紳士的アイテムとあらば、まずは購入してみて、使ってみようというのが、私のスタンスでありまして、この数年、冬になるたび、革手袋を使ってみたいな~などと思いつつ、結局購入を見送っていた、という経緯がありました。

そんな中、このたび、使い慣れた300均の手袋がボロボロになってしまったことをきっかけに、革手袋を購入してみましたので、レビューしようというのがこの記事です。

ペッカリーの手袋を検討されている方の参考になりましたら幸いです。

ペッカリーグローブ(アンライニング) メローラ製

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購入したのがこちらです。

購入したのはイタリアのメローラのものです。

1870年ナポリにて創業された、クラシコイタリアの老舗「Merola」。

一切の妥協を許さず、最高品質の手袋とネクタイを作り続けています。映画「ローマの休日」を始め、ハリウッド映画でも度々使用されてきました。
現在では、各国の有名政治家やエグゼクティブに愛用されています。クラシコイタリアを日本に広めた、服飾評論家の落合正勝氏が絶賛している事でも有名なブランドです。

Merolaの哲学とは、決して流行に左右される事無く、長い歴史の洗練を経て行き着いた、クラシックなスタイルを踏襲し続けるというもの。

伝統を受け継いだイタリアの専門職人が、ナポリ郊外の自社工場で全ての工程を仕上げ、完全ハンドメイドを実現しています。

下記公式サイトより
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ブランドタグです。アートです・・・
日本製とは全く異なるセンスです…
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信頼の?100%オリジナルイタリアンクオリティです。
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右手と左手とでシボの感じなど結構異なっています。

購入した際の写真を取り忘れてしまったのですが、購入時は公式WEBサイトの写真同様、ピンとしていました。
この記事の写真は3~5回ほど着用した状態なのですが、既に使用感が出てきています。
グッとこぶしを握り込むたび、あ、伸びたな・・・という感じがありますので、革手袋とはそういうものなのだとは思います。

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左手甲側
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左手のひら側
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右手甲側
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右手のひら側

ペッカリー革とは

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この記事を読んで頂いている方は当然ご存知かもしれませんが、「ペッカリー」という革について一応説明しておきますと、

南米に生息するイノシシに似た哺乳類で、和名はヘソイノシシだそうです。
この野生動物を捕獲して革をとるわけです。
ウィキペディアによりますと、毎年10万頭以上の野生のペッカリーが捕獲されている、とあります。

ペッカリー革の靴やバッグ、サイフ、というものにはあまりお目にかかったことはありません。

では、なぜ手袋にはペッカリー革を使うのか。

メローラの商品説明にはこう書かれています。

肉厚ながら驚くほどの柔らかさ、肌への吸付き、馴染み、存在感、全てにおいて逸品の素材です。美しい形に、極上の着け心地はいつになっても廃れる事のなく魅了し続けます。

メローラ公式サイトより

実際にペッカリー革に触れて、また、手袋に手を入れてみればわかります。
モチっと肉厚、なのにフワフワと柔らかです。
フィット感としてはまるでゴム手袋のようにねっとりと手のひら・手の甲に張り付いてきます。それでいて表面はフワフワしっとりしていて触り心地は抜群です。
革手袋といいますと、ナッパレザーのものを想像される方が多いと思われますが、全く違った手触りです。
このフィット感・この触り心地はやみつきになります。
手袋の素材として唯一無二の存在、というのも納得です・・・

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左手甲側を接写しました。

アップで撮るとシボが全面に走っています。
シボのおかげでシワは目立ちにくいです。

サイズ感(フィッティングガイド)

メローラ公式サイトによりますと、
「手のひら側から測った中指の長さ」と「親指を除いた甲まわり一周」
を測り、これに基づいてサイズを決めるようです。

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実際に私の手を測ってみますと、
中指の長さ:7.5cm
甲まわり一周:21cm
となりました。

メローラのサイズチャートからしますと、
中指の長さ:7.5cm→サイズ7(XS) or 7.5(S)
甲まわり一周:21cm→サイズ7.5(S) or 8(M)
また、甲まわりと中指の長さとでサイズが異なる場合は、全体のフィット感を優先し、甲まわりを基準にサイズを選ぶ、との注意書きがあります。

このサイズチャートからしますと、7.5(S)かな、という感じなのですが、さまざまな個体を試着した結果、

6.5(XXS)を選択いたしました。

着用するとこんな感じです。

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左手・手のひら側
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左手・甲側
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右手・手のひら側
「・・・」と横に3つならんだ毛穴がよく見えます。
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右手・甲側

個人的な感覚ですが、サイズ7.5は明らかに一回り大きいように感じられました。指先が微妙に余っており、手のひらまわりにも余ったシワができていました。
サイズ7か6.5かで迷ったのですが、つっぱる、ひっかかる、という感覚がなければできる限りタイトなほうがよい、というアドバイスを受け6.5にしました。

サイズ6.5だと新品時は少しタイトだったのですが、数回使っただけですぐに馴染みました。
特に自転車に乗ったりすると、ブレーキをかけたりという動作のたびに革が伸びる感じがありますので、ネガティブな感覚がない範囲でできる限りタイトなものを選ぶ、という方法で間違いはないように感じています。
新品時で気持ちよくジャストサイズ、というものを選ぶと、数シーズン使用したら少しルーズな着用感になるのではないでしょうか。

サイズを探していて感じたのですが、革手袋は、本当に個体差が大きいように思われました。
右と左とでフィット感が違う、というのはざらにありますし、同じサイズでも黒のほうがなんとなくタイト、という感じもありました。

ですので、サイズチャートなどあてにせず、とにかくピタピタの個体を求めて試着を繰り返すしかないという気がしています。

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ピタピタのフィッティングにすることで、手袋をはめたまま新聞紙も容易にめくることができます。普通に本も読めますし、スマホをいじることも可能です。ボールペン等で文字も書けます。

ワンサイズ大きくとも新聞や本は読めるものと思われますが、指先が余ってしまいますと、紙はめくりにくくなるものと思われます。

アンライニングは暖かい?

先ほど、ゴム手袋のようなフィット感、と書きましたが、これはアンライニングであればこそです。
デンツのグローブは、つけていることを忘れてしまうほどのフィット感、という意味で「シークレットフィット」と言われるそうですが、これもライニングなしであればこそで、カシミヤライニングやシルクライニングでは、「まぁ手袋してるよな」、という感覚は当然のことながらあります。
特に、カシミヤライニングはかなりフカフカですので、手袋をしたままで新聞を読んだり本を読んだり文字を書いたりというのは難しいものと思われます。

あと、カシミヤライニングでは、私のような指が太い人間にとっては、指がパンパンになり、大げさに言えばミッキーマウスの手のようにずんぐりむっくりに見えてしまう、というデメリットもあります。

ですので、どうせ買うなら、ペッカリー革の良さを最大限に味わえるアンライニングにしたほうがいいというのが私の結論なのですが、アンライニングを購入するにあたって、やはり、暖かいのか?というのが最も気になるところでした。

いろんな方のブログを読んでみても、結局、暖かい・寒いという感覚は個人的なものでしかないので、自分自身で使ってみるまでわからないまま、えいや!と購入するほかないわけです。

最終的にはご自身で購入してみて実感するしかないわけですが、かなりの冷え性で寒いのが大の苦手な私の結論としては、アンライニングでも十分暖かい、と言えます。

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↑↑↑手袋の裏側です。アンライニングとはいっても、革の裏面は裏起毛のような素材感で、十二分に暖かいです。
風を通さないというだけではなく、多少の保温性があると言いますか、しばらくはめていると普通に暖かく感じます。

他方で、アンライニングでこれくらい暖かいのだから、カシミヤライニングであればめちゃくちゃ暖かいのだろうとも思いますので、このあたりは何を重視するのか、ということになろうかと思います。

デンツのペッカリーとの比較

ペッカリーの革手袋を検討すれば、デンツの製品との比較は避けては通れないものと思います。

まず、価格が全く違います。
デンツのペッカリーのアンライニングは66,000円(2023年1月現在)となっており、メローラのものと3万円ほどの価格差があります。

革の質感等を比較すると、私の個人的な感覚としては、デンツのものはメローラのものよりもさらにガッシリ肉厚な感じを受けました。
メローラのものはフワっとした手触りなのですが、デンツのものはガシッと分厚い感じです。
耐久性という点ではデンツのものに軍配が上がりそうです。

また、デンツのアイデンティティ?である水かきもメローラのものにはありません↓↓↓

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他方で、デンツのもの、メローラのものを試着してみたらわかるのですが、水かきの有無で着用感に全く差は生じないというのが正直なところです。

あと、かなり重要な点として、デンツのものは指が長く感じられました。
デンツはサイズ7がもっとも小さいようですが、それでも私の手では特に親指が余る状況でした。

また、同じダークブラウンでもデンツのものとメローラのものとでは微妙に色味が異なります。好みの問題にはなりますが、私個人的にはデンツのより赤味の濃いダークブラウンのほうが好きです。

デンツがメローラよりも値段が高い理由を検討してみますと、水かきがついているという点で工程が多いこと、ペッカリー革のグレードが高い可能性があること、工程の中に手作業がより多い可能性があること、という感じなのですが、3万円という価格の差ほどの違いを感じるのか、と言われると、少なくとも私はそうは思いませんでした。

というわけで、ペッカリーならデンツ一択、ということは全くないように思われ、さまざまなブランドのものを試着してみて、自分にピッタリのサイズ感のものを選ぶのがよいのではと思います(自分にピッタリのサイズのものを見つけるのは本当に難しいです・・・)。

私のように、ペッカリー革の手袋というモノをとにかく味わってみたいという革手袋初心者には、わざわざより高価なデンツを選択する必要はないというのが私の結論です。

使用してみての感想 良い点・悪い点

まずは、良い点です。
・とにかくシャレています。300円のフリースの手袋とは見栄えが違います(当然ではありますが・・・)。
・手袋をしたまま新聞や本を読めますので、外出時に重宝します。ずっとはめていたいくらいです。

悪い点といいますか、使いにくい点としては、
・雨の日には気を遣います。濡れてシミができはしないかとついつい心配してしまいます(結局、雨の日用の安い手袋と併用するという運用状況です・・・)。
・自転車に乗ると、ブレーキをかけたりシフトレバーを操作したりするたびに革が伸びる感じがし、やはり気を遣います。
・スマートフォンを使用する際に、指紋認証を解除するために、いちいち手袋を外す必要があり、ピタピタのサイズ感ですと外す際にひと手間かかります(顔認証であれば全く問題はないでしょう)。
・クシャクシャにしてカバンやポケットに突っ込んでおくとシワになりますので、雑に扱いにくいです。
・革製品ですので、多少のケアは必要かもしれません(もちろん、日常的に使用するのであれば、革クリームを使う必要はなく、冬が終わって保管する際にブラッシングする程度でよいという見解もあります)。

私は、コロニル シュープリームクリーム デラックス でプレケアをしてから使い始めました(若干手触りが変わりましたので、やる必要はなかったかとも思いますが、革製品好きとしては、どうしてもプレケアをやりたくなってしまいます・・・)。
また、雨シミが怖かったので、コロニルの防水クリームも塗り込みました。ですので、購入時より革にテカりが出ております。

長々と書いてきましたが、このように、良い点があるとともに面倒くさい点も多々ありますので、万人にオススメするようなアイテムではありません。

クラシックなファッションアイテムというものは多かれ少なかれそういった側面はあるものであり、そのような多少の面倒くささ、機能性の高いアイテムにはない味わいのようなものを楽しめるのであれば、全く高い買い物ではなく、十分な満足感を得られるシロモノであると言えます。

この記事が購入を検討されている方のご参考になれば幸いです。

 

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