「アルトラ」のゼロドロップシューズの話
近頃、ランニングシューズ業界では、新興ブランドの台頭が著しいようで、大人気の「On」や「HOKA」など、10年前には日本ではあまり見かけなかったブランドが市場を席巻しているように感じます。
今回ご紹介する「アルトラ(ALTRA)」も、私はこれまで知らなかったのですが、ユニークな新興ブランドとして知る人ぞ知る存在であったとか。
私がこの「アルトラ」を知るきっかけとなったのはいわゆるゼロドロップシューズを探していたからですが、デザインを見ていると気になるのは、ゼロドロップよりもむしろ特徴的なつま先の形状でして、ビルケンシュトックやトリッペンのようなぽってり靴を主食としている私としては、是非試してみたいと思った次第です。
そのような頭で街ゆく人々を見ていると、案外この「アルトラ」を履いて歩いている方は見受けられるものです。
ナイキやアディダス、アシックスなど、定番のランニングシューズではなぜかしっくりこない私ですので、何はともあれ、私も使ってみるよりほかないなと。
ちなみに、私は週に何度か自宅周辺を数キロほどジョギングする程度のレベルです。
自宅近くの里山をジョギングする程度で、ちゃんとしたトレランなどしたこともないですし、レースに出たいなどとは露ほども思わない、そんなレベルの人間です。
十数年にわたって継続的にジョギングはしているものの、走るのが好き、というほどではなく、健康のために走っている、そんな義務感ランナーです…
ベアフットシューズの話
そんな私はベアフットシューズが大好物です。
近年愛用しているのはこちらです。↓↓↓
VAPOR GLOVE 6ベイパー グローブ 6[メンズ] – MERRELL 公式オンラインストア
私がベアフットシューズを使い始めたきっかけはこの本でした。
↓↓↓
この本では、「野生の動き -動くことで脳を形成し、再形成する-」という章で「ミニマリストシューズ」(=ベアフットシューズ)を使用してのトレイルランが推奨されています。
いわく、
「ジムの会員になり、ライクラのウェアに身を包み、週に六日はランニングマシンやエアロバイクに乗ってタイマーを三十分にセットし、iPodのトレーニング用プレイリストをかけながら健康への道をひた走る。これがこなすべきトレーニングだと思っているならあなたはまだまだだ」とのことで、「ファストフードをやめて真のごちそうを食べよう」
とのことで、
目指すべきは「野生の身体感覚」であり、ミニマリストシューズを履いてトレイルランをして
「岩だらけで困難に満ちた現実の生活でさまざまなストレスや挑戦に向き合うとき、わたしたちは同じく困難に満ちた世界で進化してきた筋肉と神経をフル稼働させている。
筋肉と神経だけではない。たとえば長い坂を上りきった末のほほえみ、頂上での体験、苦境に挑み、乗り越えて得た小さな勝利。
その気持ちの高まりをもたらしているのは筋肉活動の刺激によって噴出した生化学物質だが、それらは幸福感と脳にとってとても重要なものだ。
間違いなくドーパミンはこの小さな報酬の一部であり、わたしたちが薬物や刺激物で代用しようとしたり、あるいは抗うつ剤で再現しようとしたりする恍惚感の源泉だ。
トレイルランをすればそれがただで手に入る。そして、その背後には進化論的な論理がある」
というわけです。
この本のような自然科学に裏打ちされたナチュラリストであったとしても、いわゆるひとつの自然信仰と言いますか、宗教チックなところはやはりありまして、やれオーガニックだ、マインドフルネスだ、メディテーションだと言い出しがちなわけですが、ご多分に漏れず私にもそのケがあります。
意識高い系スーパーをのぞいてオーガニック食材を探すのは大好きですし、隙あらば瞑想をして心をして整えようなどと言い出す人種ではあります。
このように、ベアフットシューズは、ナチュラル界隈と強い親和性があるように思われます。
そもそも、速く走りたいのであれば、ハイテクな厚底シューズを選ぶべきであって、別に速く走りたいわけではなく、走ることそのものを楽しみたい、より「自然」に近づきたい、的な発想があるからこそベアフットシューズが選択肢になるわけで。
とはいえ、私の場合は、走ることを楽しんでいるわけでもございませんで、ただただ健康のために走っているということでしかないわけなのですが…
もちろん、どうせ走るならお気に入りのシューズで気分良く走れれば最高なわけで。
ベイパーグローブ6は、ゼロドロップ+ソールが6mm厚ということで、ザ・ミニマリストシューズという趣です。
ベアフットシューズは何がいいのか、と言われると、
一般的なクッション性のあるシューズでは”かかと着地”が多く見られますが、ベアフットシューズでは”つま先着地”を促すことができます。
また必要最低限まで素材・機能を削ぎ落としているため、普段鍛えることが難しい筋肉に低負荷をかけトレーニング効果を向上させることや、走る動作の改善を促し怪我予防に期待できます。
とのことで、上記の「GO WILD 野生の体を取り戻せ!」などでは、「競技ランニングで優勢な、歩幅を広く保ち踵で着地するストライド走法は、クッションがよく効いたシューズが開発されてはじめて可能になったものだ」とされ、「ただその走り方だとかかとはシューズで保護できても、踵に加わる力がそのままくるぶし、ひざ、腰に伝わり、そうした力を吸収するようにできていない各部の故障を招く」とされ、「人類は靴なしで進化し、走る能力も進化させたという事実」に目を向けるべきだと述べられています。
とはいえ、「かかと着地」より「つま先着地」のほうがよいと言えるのかどうか、について、そもそもさまざまな見解があるようで、一概には言えないのかもしれません。
ただ、私は明らかにつま先着地の人間ですので、どうにも厚底シューズは苦手でして、特にかかとが後ろにせり出しているタイプのシューズの恩恵は全く受けられない走り方だと言え、そういう走り方は、ゼロドロップに親和性があるのではないかと思われます。
一方で、このクッションのないベアフットシューズで舗装された路面をガンガン走っていますと、足裏全体やひざなどになかなかのダメージも感じます。
そんなわけで、もっぱらベアフットシューズはジムでのトレーニングやランニングマシンでのみ使うようにし、アスファルトを走れるベアフットシューズを探すことになった次第です。
アルトラ エスカランテ レーサー2
そんな中、スポーツ用品店で偶然に出会ったのがこの「アルトラ」でした。
ESCALANTE RACER 2 TOKYO(エスカランテ レーサー 2 トウキョウ)メンズ – アルトラ オンラインストア

通常の「エスカランテ」の「レーサー」モデルというわけで、「レーサー」というにはほど遠い私が使うのもナンですが・・・
アルトラのシューズの特徴と言えば、①ゼロドロップ、②フットシェイプ、の二枚看板のようです。
ゼロドロップとは、つま先とヒールの高さが同じ(通常のランニングシューズはかかと側が6mm~1cm程度上がっており、これを「ドロップ」と言うそうです)であること。
「フットシェイプ」とは、要するに、靴が裸足のエジプト型の足そのものの形をしているということです↓↓↓

私の足は幅広で、小指の先がアタりがちですので、このエジプト型の足そのものの形というところがぶっ刺さりました。

このカラーに惹かれて購入したと言っても過言ではないかも・・・
通常、限定カラーみたいなモノには惹かれないタチなのですが…

他方で、雨で濡れた坂道などは少しスリッピーにも思われます。

↑金属(靴ベラです)で指しているところが親指の先端です。
捨て寸は1センチあるかないかといったところでしょうか。
ネットをみてますと、1.3センチくらいの捨て寸推奨と書いてたりもしますが、結局は全体的なフィット感としてどうか、という問題ですので、ご参考までに(もちろん、実物にアクセスできない場合はこうした一つ一つのスペックを集約してエイヤで買うしかないわけですが…)。

あと、カカトが小さい私には、オリジナルフットシェイプのカカトは少し大きめのように感じております。
他方で、スタンダードフットシェイプだと、ボールジョイント部の幅も少し狭くなるようですので、このあたりはトレードオフになるのかなと…

要らなくないですかね?
とはいえ、ほれぼれするような横顔です・・・
走ってみると
夜な夜な2〜3キロほど自宅付近を何度も走ってみました。
ベアフットシューズに比べればソールは厚いですが、一般的なランニングシューズと比べると明らかにソールは薄いです。
これならヒザにくることもなく、他方で、路面の感触もしっかりと感じられますので、我が意を得たりと思わずニヤけてしまいます笑
やはり私にはカカトは大きく感じられはしますが、ソックスを厚めのものにし、ヒモをギチギチに締めれば何の問題もありません。
とにかくつま先部分が開放的で、10キロくらい走ってみても、小指が気になったりはしなさそうです。
あと、メッシュが涼しい。
靴下の色が透けるくらいにメッシュの目が粗いのですが、強度はしっかりあるので、アッパーの柔らかさはあまり感じません。

なかなかしっくり来るランニングシューズに出会えていなかった私ですが、このシューズはヒットの予感です。
というわけで、これからも健康のために走り続けたいと思います(安直な締めで申し訳ございません・・・)。
長々とお読み頂きありがとうございました。
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