「村上海賊の娘 (一)~(四)」レビュー
こんにちは、齋藤です。
第二回目の今回は、小説をご紹介させて頂きます。
突然ですが、時代小説が好きです。
時代小説というと、中学生の頃、藤沢周平の「秘太刀馬の骨」を理化の授業中にこっそり読んでいたところ、先生に見つかり、本を取り上げられ、こっぴどく叱られたことがいまだに思い出されます。
職員室に呼び出された際、先生に、面白いので読み終わったら貸しますよ、と言いたいところをグッとこらえた記憶まで残っています。
余談ですが、30歳を過ぎて弁護士として学校で出張授業をしたりするようになり、学生時代、先生方がいかに苦労しながら、一生懸命授業をされていたかを遅まきながら理解できるようになりました。
そうしたご苦労も顧みず、なんと勝手な振舞いをしてしまっていたことか、思い出すだに恥ずかしく、消え入りたくなる思いであります。
ただ、男子校でしたので、ナメた態度には容赦なく鉄拳制裁が待っていました(あくまで当時の話です)。
それはさておき、藤沢周平の深みのある人物描写や温かみのあるストーリーは、ささくれだった人の心を包み込み、ほっこりとした気分にさせてくれる力があります。また、池波正太郎、山本周五郎や司馬遼太郎、吉川英治などいずれの作家も名作ぞろい(これらの作家についてもいずれ触れていきたいと思います。)です。
しかし、残念ながらいずれも故人であり、当然新作の発表は期待できません。
そんな中、今回は、これらの巨匠の作品に並ぶとも劣らない作品をご紹介させて頂きます。
「村上海賊の娘 (一)~(四)」
(和田竜 新潮文庫 2016年)
当時なにかと話題の本でしたので、文庫版を予約して図書館で(一)巻を借りたのですが、これは面白いと思い続きを借りようとしたところ十数人待ちとなっていたため、待ちきれずに続きを一気買いしてしまいました。
ストーリー
天正四年(1576年)、天下統一を目指す織田信長が次に狙いを定めたのは石山本願寺の攻略でした。
石山本願寺を包囲され、籠城を余儀なくされた本願寺顕如らは、毛利家に兵糧十万石の海上輸送を申し入れます。
織田信長につくか、本願寺(一向宗)を助けるか、毛利家が出した答えは本願寺の救援でした。
しかし、兵糧十万石の海上輸送など毛利家単独では不可能です。
そこで、毛利家が白羽の矢を立てたのが、戦国時代に瀬戸内海一帯を根城に栄華を極めた海賊衆、村上海賊でした。
村上海賊の党首たる村上武吉の娘・村上景(きょう)を主人公に、石山本願寺周辺に築かれた砦をめぐる攻防戦から、ライマックスの織田軍・毛利軍が難波海(大阪湾)で激突する木津川合戦までを一気に描き切ります。
本作品に限ったことではありませんが、時代小説には、忠義、信頼、正直さ、誠実さ、真心、情け、といった、損得や経済合理性だけでは計れない価値観を思い起こさせてくれるような作品が多くあります。
人生をかけた選択の際に、こうした価値観が心の内にあれば、根本のところで道を違えることはないだろうな、などと思いながら、気が向いたら時代小説を読んでいます(自分の子供にも是非読ませたいと思っています)。
みなさまにも、是非一度お手に取っていただけましたら幸いです。
ミカン法律事務所は,JR草津駅東口徒歩2分にございます。
当事務所では,著作権・出版に関する事件にも注力しており、よりよいリーガルサービスを提供できるよう日々努力を重ねております。
また、一般的な民事紛争、離婚・相続等の家事事件、企業法務全般、刑事事件・犯罪被害者支援などの各種事件から、
行政事件、IT関係、著作権や商標等の知的財産事件、契約書面の民法改正への対応等の専門的・先進的な事件まで対応をさせて頂いておりますので,まずは,お気軽にご相談下さい。
〒525-0032
滋賀県草津大路一丁目8番25号 エムビル3階
ミカン法律事務所
TEL:077-596-3447 FAX:077-596-3448
Email:mikan@mikanlaw.jp