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カテゴリー: 法律関係
2023-02-11

リーガルテックの普及と弁護士の仕事のゆくすえ

こんにちは。齋藤です。

今回は、リーガルテックに関する簡単な考察です。

日経新聞2月6日朝刊によりますと、国内主要企業の217社にアンケートをとったところ、8割以上が、リーガルテックの導入に動いているとのことです。

そもそも、「リーガルテック」という言葉はご存知でしょうか。

リーガルテックというのは、Legal(法律)」と「Technology(技術)」を組み合わせた言葉で、要するに、法律に関する業務においてIT技術を活用し、業務の効率化や業務の刷新を図るものです。

 

コロナ禍で様々な分野でDX化が進んでいますが、ご多分に漏れず、法律の業界でもDX化の波が押し寄せており、リーガルテックは我々の仕事を根本から変える可能性を秘めていると私は思っています。

当事務所でも、事件資料や案件管理についてのDX化を積極的に進めております。↓↓↓

弁護士・法律事務所向けクラウド案件管理システム LEALA 実装レビュー | 滋賀県・草津市の弁護士|ミカン法律事務所 (mikanlaw.jp)

https://leala.ai/page

 

また、諸外国に遅ればせながら、裁判のIT化も進んでおり、最高裁判所は2022年4月から民事裁判書類電子提出システム(mints)を導入し、これまでFAXでやりとりしていた裁判書類をオンラインで提出できるようになっています(というのはタテマエで、少なくとも当事務所では訴訟において裁判所から「mints」を使って書類をオンラインで提出するよう求められたことはなく、未だにFAXでやり取りしています・・・)。

また、民事裁判では、Microsoftのteamsを使って、WEB会議システムで裁判を行うことが増えたため、弁護士が裁判所に出廷する回数は確実に減っています。

このように、コロナ禍を通じて、裁判の在り方は確実に変わってきているのですが、それと同じような変化が、弁護士という仕事そのものに起きている、もしくは起きようとしているのだと思われます。

 

さて、この日本において、企業の法務において拡がりを見せているリーガルテックサービスと言えば、電子契約サービスと契約書レビューサービスが2トップではないでしょうか。

・電子契約サービス:契約の締結をクラウド上で完結できるサービス

・契約書レビューサービス:AIを使って契約書の内容をチェックするサービス

 

電子契約サービスはかなりの企業に普及してきているように思われます。

ご相談に来られる企業でも、「クラウドサイン」のような電子契約サービスを利用しておられる会社は着実に増えているように感じています。

 

他方で、契約書レビューは企業の法務部でまだまだそこまで普及してはいないようです。

日経新聞の記事では、契約書レビューに関しては、ある程度確認すべき点を指摘してくれる、というレベル感に留まり、精度が高いとは言えないとの指摘があるとされています。

結局、弁護士がかなりカスタマイズする必要があるという点では、まだまだ「使いこなす力」が必要になるようです。

 

また、AIによる契約書審査サービスがいわゆる「非弁行為」として弁護士法に抵触する可能性があることを法務省が示唆し、業界に激震が走りました。

この問題については、今後、法務省がどのようなサービスであれば適法なのかという指針を作成することを検討しているそうです。

 

いずれにせよ、契約書レビューサービスは、まだまだ、それを使えば実務で使えるレベルのものが出来上がる、というものではなく、AIが指摘した点を知識を有する人間が見て検討することが必要となるという点で、弁護士の仕事を補完するに過ぎないものと言えます。

他方で、5年、10年というスパンで考えた場合、確実に精度は上がっていくでしょうから、難しいものでない限り、もはや弁護士のレビューは必要ない、というレベルのものになるものとなり、弁護士の仕事がAIに代替されることが想像に難くありません。

契約書レビューサービスだけで実務においてそれなりにトラブルを防止できるような契約書が出来上がれば、企業は弁護士にアウトソースする必要がなくなりますので非常に有意義なサービスと言えます。

他方で、我々弁護士からすれば、契約書のレビューは一定の割合を占めている↓↓↓ところ、契約書レビューサービスの進化により一定数の仕事が確実に無くなることを意味します。

契約書等作成・ビジネススキーム構築支援 |滋賀県・草津市の弁護士|ミカン法律事務所 (mikanlaw.jp)

当事務所の中野弁護士などは、いろいろな点に気を払いながら契約書を作成することに喜びを見出しているわけですが、その業務の大半をAIが担うようになるわけです。

その他にも、MicrosoftのチャットGPTやGoogleのBardのような会話系AIがさらに進化すれば、法律相談についても弁護士よりもAIに聞いたほうが正しい答えが聞けるようになるでしょう。

このように、弁護士業において、AI代替性の高い業務はたくさんあるわけで、テクノロジーの進化は否応なし弁護士業界を変えていくものと思われます。

今後もリーガルテックが作り出す業界の変化から目が離せません。

どのように世界が変わっていくのか、楽しみです。

 

 

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