司法修習生の就活ファッション考
司法修習生の就活でも服装は重要
司法修習生を面接して思ったこととして、一般企業の就活生に比して、服装に対する配慮が足りないのではないか、ということ。
それもそのはず、教えてもらったことなどないのだから、何がNGなのかなんて知る由もない。
というわけで、書いてみました。
服装にうとい人が多い業界なので、これだけ守ればかなり周囲と差がつくはず。
服装なんて重要じゃない、要は仕事ができるかどうかだろ、スーツ着てれば問題ないだろ、そうお考えの方も多いはず(かくいう私も法律事務所の面接の際にあまり服装に気をつかってはいませんでした。)。
そして、面接する弁護士の側もスーツさえ着てればディテールは評価の対象としないところが多いとも思われます。
圧倒的な司法試験の成績、とんでもない経歴、才気走る受け応え、溢れる人柄の良さ、清潔感のある容姿、などなど兼ね備えているというのであれば、早い話、服装なんてどうでもいい(ただ、ザッカーバーグもまさかセーターにジーパンで面接を受けには行かなかったはず。知らんけど。)。
しかし、大多数の修習生はそうではないはず。
面接する側も、正直に言って、短い時間でその修習生の何が分かるというほどでもない。
司法試験の成績なんて、500番と1000番との違いなどたいして重要でもない(少なくとも私はそう思ってます)。大学を出てロースクールを出て、という流れで経歴は似たりよったり。
そうすると、結局のところ、その人が醸し出す雰囲気的なものという主観的な、極めて主観的な基準で決めざるを得ない。
そこで、その雰囲気的なものを構成するいち要素として、服装が意味をもつと考えます。
基本的な精神として、スーツスタイルは、個性を見せるものではなく、場に馴染んだものであることが要求されるもの。なので、健全な社会常識や協調性を測るのに、装いへの気遣いは良いバロメータになる。
これは別に私が服が好きだからというわけではなく(その要素も多分にありますが)、老舗系事務所のようなカタい顧客を抱えている事務所の先生は装いもチェックしているもの。
知らないうちに服装で減点されるなどシャレになりません。
自分の魅力を知ってもらうためにもまずは第一印象を高める意識を持ちたい。
最低限これだけは!
① スーツはネイビー無地
黒もよく見かけますが、大学生の就活感が出てイマイチ。
仕事しだしてから黒のスーツというのはまず着ない。
就活専用スーツを持つ意味は乏しい。
2~3万円の価格帯ではなく4~5万円のものを一着持っておくと、仕事をし出してからも重宝すること間違いなし。
私はチャコールグレーのチョークストライプのスーツにストライプのシャツを合わせて就活に行っていたのですが完全にNG。無知とは怖いもの・・・
就活ならグレーよりも絶対ネイビー。清潔感が出ますので。
②靴は黒のストレートチップ(異論は認めない)
とにかく黒のストレートチップを履いておけば間違いなし!!
私は黒のUチップを履いて就活していたのですが、やはりNG。
カジュアルなものという認識を持っておいたほうが無難。
③ベルトも黒
当たり前のように思えますが、黒い靴を履いて茶色いベルトをしている弁護士は普通にいます・・・見る人が見ればダサいを超えて恥ずかしいのかも知れません。
④黒の革カバン
靴も黒、ベルトも黒、ときたらカバンも黒、+革がいいです。
どうせ買うものですのでこの機会に揃えておきます。
↑こんなのです。硬い革を使っているもののほうが、長年使っても型崩れしにくく、良いかと思います。
仕事上、様々なシチュエーションでサッとカバンを置いて話す場面があります。
柔らかい革を使ったバッグだと、数年使っていると革がさらに柔らかくなり、購入時は自立していたものが自立しなくなるということがよくあります。
置いたカバンがドテッと倒れて、それをいちいち立てる仕草はスマートではありません・・・
なお、革カバンというのはピンキリで、上を見はじめたらキリがありません・・・・
フリマアプリなどで新品・未使用品を手に入れるのも良いと思います。
革製品は、手入れせずに適当に使っている高額のものより、手入れして丁寧に使っているそれなりのもののほうが見栄えが良い、ということが往々にしてありますので、購入後にしっかりメンテしておけば十分かと思います。
あと、弁護士になる!ということで張り切ってダレスバッグを買いたくなる衝動を抑えきれない方もおられるでしょう(同期でも修習生のうちに早速買っていた人がいました)。
ダレスバッグはかなり趣味性の高いもので、使うメリットとしては、圧倒的なクラシックな見た目+一生モノということだと思います。
他方で、実際に使うとなると、重い・出しにくい・実はそれほど容量がない、などデメリットも多く、少なくとも修習生のうちに手を出すシロモノではないように思われます。
まずは普通の本革ブリーフケースを買ってみて、それを使ってしばらく仕事をしてみて、さらに更なるクラシックの高みを目指したい、という方はダレスバッグの購入を検討すればよいかと思います。
ちなみに、私はMA-1の黒のナイロンのカバンで就活していました・・・
座るときに自立しないのでイマイチです。
TUMIのようなガッチリしたナイロンのブリーフケースなら革でなくとも良いかもしれません。
完全に好みかもしれませんが、リュックはやめておくのが無難かと。
年配の人にはスーツ着てリュックを背負うという姿に違和感を持つ人も多いかと思われます。
⑤ネクタイは青系の無地orレジメンタル(チェックNG)
ネイビーのスーツということで、ネクタイも青系にして徹底的に清潔感を重視します。
チェックのタイは絶対にやめましょう。
チェック柄はオシャレアイテムであって、就活の面接の場には相応しくないと思います。オシャレさをアピールしたいわけではないので、無地タイでいいわけです。
⑥白の無地ブロードシャツ
シャツは白無地でいい。
サックスブルーでもいい気もしますが、洒落めかした若造と思われることを避けたいので、ここでも無難にいきましょう。
まして、私が就活の時に着ていたストライプのシャツなど絶対におすすめできません。
⑦欲を言えば靴下はロングホーズ
面接で着席した際にすね毛が見えるのはみっともないものです。
ただ、スニーカーソックスを履いてさえいなければ、20代のすね毛くらいは許されるのかもしれません。
他方で、30代以上の修習生はロングホーズをおすすめします。
まとめ
これだけは、とか言いつつ結構あるのですが、とりあえず、まずは意識したほうがいいのか、くらいの意識づけでよいかと。
服装で何がわかるのか、と思われるでしょうが、TPOをわきまえない人間にこの仕事はつとまりません。
また、採用の際の考慮要素として、協調性を挙げる弁護士は多いように思います。多少優秀だろうが、協調性のない人間とは仕事はできませんので。
そうした、「空気を読む」力を測ろうとする上で、まともな就活ルックスをしている、ということは一定程度の意味を持つと考える弁護士もいるわけです。
司法試験の順位は変わらない。
服装で第一印象を変えよう。
くらいの感覚を持てば、おのずとうまくいくものと思います。
健闘をお祈りしております!
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