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2021-03-31

弁護士の服装① 裁判所で判決を受ける場合

こんにちは。齋藤です。

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 ビジネスにおいて服装が重要な役割を果たすのはもはや言わずもがなですが、街を歩いていてビシッと服装が決まっているビジネスマンを見ることは数あれど、裁判所等でビシッと服装が決まっている弁護士を見ることはほとんどありません

 一般論として、弁護士は本の虫であり、十代の頃は学校の勉強に忙しく、二十代の頃は司法試験の勉強に忙しい人生を送ってきており、ファッションに興味を持つことはなく、従って、服装への関心がそもそもないため、TPOに応じた服装をしなければならないという意識も希薄なように思われます。

 そのような意識でビジネスマンとしてどうなのか、との指摘はごもっともなのですが、弁護士は弁護士になったとたん「先生」と呼ばれ(もちろんそれに応じた責任も生まれ)、一人前の弁護士ヅラをせねばならず、ビジネスマナーの研修を受ける機会もないため、ヘンな格好をしていたとしても、誰も注意してはくれません

 そのような中で、特に服装に関心がない人間が、他人の服装を見て真似てみる、というようなことをするはずもなく、往々にして突飛な服装の弁護士が現れます。

 かくいう私も、司法試験後に就職活動でさまざまな企業や法律事務所を回ったのですが、黒のシャドーストライプのスーツにリーガルのUチップという出で立ちで面接を受けておりました。

 大学生ではないので、シャドーストライプはセーフだとも思いますが、某ブランドのかなりモードなつくりのもので、フツーの紺無地も持っていたのでそれで面接に行けばよいものを、特に何も考えず、より高いスーツを着ていけば良いだろう、というような頭で、若干ホストっぽさすらあるスーツを着て面接に行ってしまっていたのです。

 また、Uチップについても、それがカジュアル感のある靴だ、という認識を持っておらず、黒い革靴なら何でも良いだろうという観点で、好きなデザインのものを買って面接で履いていた次第です。

 誰にも教えてもらえない、というのは恐ろしいもので、私はつい最近までビジネスでの服装についてもこのような感覚しか持ち合わせていなかったため、見る人が見ればちぐはぐな格好をしていたと思われ、恥ずかしくなってしまいます。

 私は別にファッションに興味がない人間ではなく、むしろ弁護士の中では興味を持っているほうだと思うのですが(学生時代はバイト代で服ばかり買っていましたし)、スーツスタイルについては、全く無知だったのです。

 そんな私がコーディネートの考察がてら、様々なシチュエーションに応じた弁護士の服装のあり方を考えるというのが、このブログの趣向です。

 最初に取り上げるケースは、裁判所で判決を受ける場合です。

 なぜ最初にこのシチュエーションを取り上げるかと言えば、これが弁護士が仕事において最もフォーマルな装いが必要とされるシチュエーションなので、フォーマルに寄せてさえいればよいため、考慮要素は少ないと考えたからです。

 さっそく検討に入っていきたいと思いますが、法律家っぽく、動かしがたいところから決めていこうと思います。

 その観点からすると、まずは靴でしょうか。

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靴は黒のストレートチップで確定かと。

特に刑事事件の重大判決の場合は黒のストレートチップ一択ではないでしょうか。

茶は避けつつ、黒のプレーントゥまではアリかと。
この場合、パーフォレーション付きはくだけすぎているというのが私の感覚です。

民事事件の判決を聞きに行く、という場合であれば、事件の内容によっては例えば黒のセミブローグくらいまでなら許容範囲かと思いますが、いかがでしょう。

とにかく、洒落めかす必要は全くなく、法廷で厳粛な雰囲気の中で判決を受けるにふさわしい靴という観点からは色は黒一択、さらにストレートチップ等でできるだけフォーマルなチョイスをして、裁判所や依頼者への敬意を表現すべきと考えます。

次にスーツの色です。
なお、前提として、スーツでなければならず、ジャケパンは避けるべきと考えます。
フォーマルに寄せるためにはスーツ一択でしょう。

ダークスーツであればネイビーでもグレーでもどちらでもよいわけですが、汎用性の高さからネイビーを選択しました。

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さらに、シャツ、ネクタイもブルー系にまとめました。
シャツは白よりサックスブルーのほうがスーツのネイビーに馴染む気がします。

ネクタイの色味がわかりにくいので、明るいところで撮りました。↓↓↓
スーツとネクタイの青みの違いがお分かり頂けるかと思います。

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ネクタイはペイズリーのジャカード織りのものです。

同色の織り柄ですのでペイズリー柄は遠目にはほとんど目立ちません。

無地タイにするとさらにフォーマル度は上がるわけですが、芯地がしっかりしたもの(=より高価なもの)を使わない限り、無地スーツ×無地タイではのっぺりし過ぎてしまう気がしましたので、ペイズリーで少しだけアクセントを加えました。

この合わせなら、判決後に記者会見をやる、という場合でもこれでいけると思われます。

ネイビースーツにネイビータイ合わせはどうやっても外さないはずですが、注意すべき点もあります。

それは、スーツとネクタイの青みに変化をつけることです。

スーツとネクタイの青みが同じになってしまいますと、ユニホーム感が出てしまい、理由は分かりませんがダサく感じます。

例えば、同じスーツに、ほぼ同色の紺を基調とするレジメンタルのタイを合わせてみますと、レジメンタルストライプ部分だけが浮いて見えてなんかイマイチです。↓↓↓

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なので、スーツとネクタイの色は少しズラすわけですが、ネクタイが青すぎると↓↓↓ネクタイだけが浮いて見えてしまいます。

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トランプ前大統領的な、ネクタイの色で何らかの表現をしたいという意志が強く表れた色使いに見えてしまいます。

というわけで、検討の結果、やはり最初にお示ししたペイズリーのネクタイが最もしっくりくるものと思われます。

濃いネイビーのスーツには、それより少し薄いネイビーのネクタイを合わせることになりますが、逆に黒に近い紺を合わせるとより締まって見える気がします。

他方で、ブルーに近いネイビーのスーツには濃いネイビーのネクタイ一択かなと思われます。

ブルーに近いネイビーのスーツにブルーのネクタイを合わせると、かなり若々しい取り合わせになり、35過ぎのオッサンには少しキツいものと思われます。年齢に応じた色使いというものがあると思っており、そこから外れるとイマイチ感が漂う気がしています。

とにかく、判決を受ける、という厳粛な場であることをわきまえた服装をすることが主眼なので、あまり深く考える必要はなく、黒ストチ・ネイビースーツにネイビータイでいきましょうというのが今回の提案です。

このようなテイストで、今後もシチュエーションに応じた弁護士の服装というものを考察していきたいと思っております。

長々とお付き合いいただきありがとうございました。

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