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ファッションロー

法人(事業)向け分野

CORPORATION

ファッションローという法分野

これまで、ファッション産業においては、デザインは、「商標権を侵害しない限り、コピーは法に触れない」とさえ言われていました。
ファッションデザインそのものが、もともと模倣が容易であり、さらに、デザインが産み出す商品価値のライフサイクルが短いこともあって、権利保護の重要性が認識されにくかったといえます。
また、ファッション産業にまつわる法領域をファッションローとして体系的に理解すること自体が日本ではまだまだ浸透しておらず、法曹業界においても、ファッションローという法分野の認知度は極めて低いものと言わざるを得ません。
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他方で、情報社会化の進行、科学技術の進歩により、さまざまな業界の産業構造に変動が生じており、ファッション産業も、その影響を免れることはできません。

そうした構造変化の中で、今後は、大手ファッションブランドのみならず、スタートアップ企業や、中小規模の工房、商店等においても、自社製品等の法的保護について、一定の時間的・金銭的コストをかけることが重要となってきています。




大阪・京都・神戸のみならず、滋賀においても、さまざまなファッションブランド・ショップ・工房(衣服、アクセサリー、バッグ、靴、帽子、革小物、メガネ、腕時計等)が存在し、独自の技術やデザインを活かした製品を日々産み出しています。

現在、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、アパレル業界をはじめ、ファッション産業は大きな打撃を受けていると言われています。

これは、新型コロナウイルス感染症の拡大予防により、人々が外出を自粛することを余儀なくされ、さらには、テレワークが推奨されているなかで、他人と関わることが減った結果、「装い」や「ファッション」にお金をかける必要性・モチベーションが低下していることが理由と考えられます。

しかし、こうした動きは一過性のものに過ぎず、新型コロナウイルス感染症が終息すれば、アパレル業界・ファッション産業は復活できる(しなければならない)はずです。

また、新型コロナウイルス感染症を契機として、今後、情報化社会化が加速したとしても、人間が他人と関わる以上、装いの重要性、ファッションの価値は不滅のものと思われます。


当事務所では、上記のような観点から、アフターコロナ時代において華開いていくであろう、新たな服飾文化に法的な側面から貢献したいと考えており、ファッションロー分野を注力分野の一つとしております。


以下では、「ファッションロー」(勁草書房 角田政芳・関真也著)によりまして、ファッションローを概説いたします。



(1) 総説

ファッションデザインは、点・線・模様・立体形状をもって作成される二次元的または三次元的な美的創作でありますから、著作権法の保護の対象となり得ます。

また、一点物のオートクチュールではない、量産品のプレタポルテのデザインであれば、意匠法上の意匠であり、登録要件を満たせば、意匠権による保護が認められます。

さらに、ファッションデザインが自他商品サービス識別商標識として用いられる場合には、商標法上の商標として登録要件を満たせば、商標権による保護が認められ、周知又は著名な場合には不正競争防止法上の商品等表示として、また、商品形態として不正競争法防止法による保護を受けることもできます。

加えて、ファッションデザインに技術的機能がある場合には、それが自然法則を利用した技術的思想のうち、高度のものであって新規制、進歩性、不特許事由等の特許要件を満たす場合には特許権により、高度ではなくても物品の形状、構造、組み合わせである場合には実用新案権により保護されることになります。


(2) 著作権による保護

TRIPP TRAPP事件控訴審

そもそも、ファッションデザインに著作権が認められるかという問題があります。

ファッションデザインは、実用的なものであって、美術品(絵画、版画、彫刻等)とは異なるものなので、典型的な「著作物」とは異なると理解されています。
また、著作権で保護されずとも、意匠権による保護の対象となるため、わざわざ著作物性を認めて著作権で保護する必要はないとも考えられます。

そのような前提の中で、ファッションデザインを、実用目的や産業上の利用目的で量産されるいわゆる応用「美術」に属するとして著作物と認めてよいかどうかが大きな問題となるのです。


この点、ファッションデザインのような応用美術の著作物性については、

純粋美術(絵画、版画、彫刻等)と同視しうるような美術鑑賞の対象となり得る美的特性ないし美的創作性がある場合に限って著作物としての保護を認めるべきであるとする見解(純粋美術同視説)と

著作物の要件を満たすものには著作物としての保護を認めるべきであるとする見解(一般的著作物要件説)が

対立しています。

純粋美術同視説に立てば、美術と同視できなければ著作物とは認めない、ということになりますので、当然、ファッションデザインが著作物とされる範囲は狭まることになります。

いずれの見解に立った裁判例も存在するのですが、一般的著作物要件説に立って、子供用のイスを著作物と認めたのが、「TRIPP TRAPP事件控訴審」(知財高判平成27年4月14日)です。

ストッケ社(ノルウェー)は、「TRIPP TRAPP(トリップ トラップ)」(※写真参照)という子供用椅子を販売しているのですが、ある会社がこの「TRIPP TRAPP」に類似した子供用椅子を販売しているとして、その会社を訴えました。

本件では、この「TRIPP TRAPP」が、デザイン性のある実用品として応用美術といえ、著作物といえるか問題となりました。

この点、上述の純粋美術同視説からすると、やはり美術品とまで言うには無理があります。
それ以前に、著作物と認められた例としては、仏壇彫刻事件や博多人形事件はありましたが、いずれにせよかなり限定的にしか認められていませんでした。
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現に、第1審では、純粋美術同視説に立って、「TRIPP TRAPP」は美的鑑賞の対象となるようなものではない、として著作物性を否定しました。

しかし、知財高裁判決では、

「表現物につき、実用に供されること又は産業上の利用を目的とすることをもって、直ちに著作物性を一律に否定することは、相当ではない」とされ、

「美術工芸品に該当しない応用美術であっても、著作物性の要件を満たすものについては、「美術の著作物」として、同法上保護されるものと解すべき」とし、一般的著作物要件説を支持しました。

その上で、「個別具体的に、作成者の個性が発揮されているか否かを検討すべき」

として、これまでとは違う判断手法を示し、結論として、「TRIPP TRAPP」のデザインにはデザイナーの個性が発揮されているとしての著作物性を肯定したのです。

この裁判例から、今後は、例えば、実用目的を有する椅子や台所用具であっても、著作権法の保護する美術の著作物となる余地が生じたものと評価されています。

一方で、著作物と認められる範囲は一部に限られるので、その部分が異なっていれば著作権侵害にはなりません。

本件訴訟でも、相手方の製品は、著作物と認められた「TRIPP TRAPP」の特徴部分を備えていないとして、結局、ストッケ社の請求は退けられました。

このように、「似ている」というだけで著作権侵害が認められるというわけではありませんので、仮に著作物性が認められたとしても、ただちに損害賠償請求が認められるわけではありません。

他方で、ほとんどデッドコピーといえるくらいの模倣品なら、著作権を使う余地があり得ることになります。

(3) 意匠権による保護

意匠法の保護の対象である意匠とは、「物品の形状、模様もしくは色彩又はこれらの結合であって、視覚を通じて美観を起こさせるものをいう」とされています。

したがって、ファッションデザインは、実用品である衣服、アクセアリー、バッグ、靴等の形状、模様もしくは色彩又はこれらの結合として、そのほとんどが意匠法による保護の対象となります。

そもそも、意匠法は、もともとファッションデザインを含む応用美術の保護を目的として制定されおり、だからこそ、上述の著作権による保護のところで見たように、ファッションデザインを著作権で保護するか、意匠権で保護するか、という見解の対立が生まれるわけです。

① 織物地意匠権事件

テキスタイル・デザインともいうべき古代裂(こだいぎれ:歴史的に古い時代(明治時代以前)の染織品の断片のこと)の意匠権侵害事件として、「織物地意匠権事件」(京都地判平成5年2月18日)があります。

この事件は、美術織物商である原告が、意匠権を有する意匠を使用した古代裂を製造販売しているところ、被告が、原告意匠と酷似する柄を使用して被告製品を製造販売したため、原告が、その差止請求と損害賠償を請求したものです。

この事件で問題となったのは、そもそも、原告が意匠権を有する意匠が、正倉院の古代裂である「七曜四菱文暈繝錦」と呼称される図柄・模様と類似していることでした。

この点、本判決は、「そのような古来から伝わる美術工芸品の図柄・模様を工業上利用可能な織物商品の図柄・模様に利用することは極めて困難な作業であるから、原告意匠が、その出案前に織物商品の図柄・模様として公然と知られていたものではなく、織物業に携わる者が容易に創作できるものではない」として、その新規性や創作非容易性の要件を満たすとして意匠権で保護されるとしました。

ファッションデザインにおいては、古代から存在する民族衣装や外国の民族衣装のデザインを応用した創作がなされることがありますが、この裁判例からしますと、そのようなデザインも意匠登録の可能性があることになります。

② カラビナキーチェーン意匠権事件

アクセサリーデザインの意匠権侵害に関する事件として、カラビナキーチェーン意匠権事件(知財高判平成17年10月31日)があります。

ハート形のカラビナ(主に登山に使われる固定具の一種。開閉できる部品(ゲート)がついた金属のリング。)について意匠権を有する原告が、同様の形状をした物品をアクセサリーとして販売していた被告に対し、販売の差止及び損害賠償を請求した事案です。

この事案で、知財高裁は、原告が意匠権を有する物品は、岩登り用具ないし登山用具として使用される「カラビナ」であるのに対して、被告の商品は、アルミニウム、メタル製のハート形の形状をしたアクセサリーである、とし、物品の使用の目的、使用の状態等が大きく相違していることが明らかであり、たとえ構成態様が似ているとしても、購入しようとする者が混同するおそれがあるとは認めがたいから、被告の商品は、原告の意匠登録の権利範囲に属するとは言えず、原告の意匠権の効力は及ばない、としました。

アクセサリーのデザインにおいて、他用途のデザインをアクセサリーに転用するケースが増えてきておりますが、本件判決は、意匠権侵害にならない線引きを明らかにしたものといえます。

(4) 商標権による保護

商標法が保護しようとするのは、自他商品・サービスを識別するため商品やサービスとの関係で使用する標識としての標章です。

標章とは、「人の知覚によって認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状もしくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの」です。

このうち、業として商品を生産、証明、譲渡する者が、その商品を識別するために商品について使用するものと、業としてサービスを提供、証明する者がサービスについて使用するものを商標といいます。

ブランド名が商標にあたることはもちろん、例えば、ルイ・ヴィトンのモノグラムやバーバリーのいわゆるバーバリーチェック、クリスチャン・ルブタンのレッドソール、コカ・コーラの瓶やヤクルトのプラスチック容器など、さまざまなものが商標登録されています。

① エルメスハンドバッグ立体商標事件

エルメスは、著名なハンドバッグ「バーキン」を、立体商標として登録しています。

エルメスが、被告が販売するバーキン類似の商品を、商標権侵害にあたるとして、商品の輸入、販売等の差止、損害賠償請求を求めたのがエルメスハンドバッグ立体商標事件(東京地判平成26年5月21日)です。

本判決は、立体商標の類否判断基準について、

立体的形状は、一時にその全体の形状を視認することができないため、見る者が主として視認するであろう一又は二以上の特定の方向(所定方向)を想定し、当該所定方向から見たときに視覚に映る姿が同一又は近似する場合には、原則として外観類似の関係がある、としました。

また、所定方向が二方向以上ある場合には、いずれか一方向の所定方向から見たときに視覚に映る姿が同一又は近似していれば、外観類似の関係があると判断しました。

その上で、本件では、所定方向を「正面」とした上で、バーキンと被告商品の形状を比較して類似していると述べ、結論として、商標権侵害を認めました。
他方、上部や側面については所定方向とはいえず、これらにある相違(サイズ感の違い)は、外観の類否に影響しない、としました。

本判決は、立体商標の商標権侵害が認められた初めての事例であり、立体商標の類似性の判断の基準と方法を明らかにしたものとして重要なものです。

② アディダススリーストライプス商標事件
アディダスが、通販業者のニッセンが有する靴の側面に四本線を付する商標登録を無効と主張して争ったのが、アディダススリーストライプス商標事件(知財高判平成24年11月15日)です。

本判決は、アディダスのスリーストライプスの靴のデザイン↓とニッセンの四本線の靴のデザインとが、出所混同を生じさせるとして、ニッセンの商標登録を無効としました。
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③ プーマ商標事件
プーマが、北海道の企業が有する「KUMA」の文字の右上に熊のシルエット風図形を配した商標登録↓を無効と主張して争ったのが、プーマ商標事件(知財高判平成25年6月27日)です。
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本判決では、本件商標について、出所混同に加えて、意図的にプーマの商標と酷似した構成態様に仕上げることにより、本件商標に接する取引者、需要者にプーマの商標を連想、想起させ、プーマの商標に化体した信用、名声および顧客吸引力にただ乗り(フリーライド)する不正な目的で採択・出願し登録を受けたものであり、プーマの商標の出所表示機能が希釈化(ダイリューション)され、引用商標に化体した信用、名声および顧客吸引力、ひいては、プーマの業務上の信用を毀損されるおそれがある、と述べ、公正な取引秩序を乱し、商道徳に反するものというべきであるとして公序良俗に反する商標であるとしました。

(5) 不正競争防止法による保護

不正競争防止法の目的は、事業者間の公正な競争を確保し、もって国民経済の健全な発展に寄与することにあります。

不正競争に対する民事上の救済としては、差止請求損害賠償請求が認められます。

ファッションデザインは、本来的には、衣服、アクセサリー、バッグ靴等の商品に美観を与え、その商品価値を高めることを目的としています。
そのため、商標法上の商標や、不正競争防止法の商品等表示(人の業務にかかる氏名、商号、商標、標章、商品の容器もしくは包装その他の商品または営業を表示するもの)とは異なって、商品の出所を表示することが本来の目的ではありません。

しかし、価値の高いデザインが、二次的に自他商品識別機能ないし出所識別機能を持つことがあります。

これを、セカンダリー・ミーニングと言います。

このように、長期間にわたり継続的かつ独占的に使用されるなどにより、二次的に特定の事業者の識別標識としての機能を発揮するようになったデザインは、不正競争防止法上の商品等表示として認められ、不正競争防止法上の保護が認められる場合があるのです。

他方、周知商品等表示として保護されるためには、識別力、周知性、混同のおそれ、が認められねばなりません。

また、著名商品等表示として保護されるためには、識別力と著名性が認められねばなりません。

通常、これらの要件が認められるためには、ある程度業界に浸透しているデザインでなければならないでしょう。

・ジーンズポケットステッチ商標事件

リーバイスが、エドウィンのジーンズのバックポケットのステッチが、リーバイスのステッチと類似しているとして、不正競争防止法違反を主張した事件が、ジーンズポケットステッチ商標事件(東京高判平成13年12月26日)です。

本件判決は、リーバイスのバックポケットのステッチに、識別力、周知性を認め(ステッチを見せられて、多くの人がリーバイスと答えることができた)、さらに、類似したエドウィンのステッチを付したジーンズが販売された場合には、需要者において、その出所がリーバイスであるかのように、あるいは少なくとも、エドウィンとリーバイスが資本関係又は何らかの提携関係を有する者であるかのように誤認混同するおそれがあると述べて、不正競争防止法違反(周知商品等性)を認めました。

本件では、リーバイスはバックポケットのステッチの商標権侵害をも主張していましたが、この点は認められませんでした。

商標権や不正競争防止法による保護についてのリーディングケースであるとともに、リーバイスのブランドマネジメントの徹底ぶりを世に知らしめた事件ともいえます。


(1) 総説

ファッションブランドとは、「ファッションデザイン商品を創作し、販売等を行うビジネスの主体が、自己の商品と他人の商品を識別するために使用する商標である。」とされます。

ファッションブランドと、他の業界におけるブランドとの間で、法的な保護の面で異なる点は基本的にありませんが、ファッションデザインが、ブランドとして商標法や不正競争防止法によって保護されることがある点、さらには、ファッションデザイナーの氏名、名称等が商標権によっていかに保護されるかという問題を抱える点にファッションブランド特有の問題があるとされます。

(2) 商標権による保護

① フランク三浦商標事件(パロディ商標)

昨今、有名ブランドをパロディ化したブランド、すなわち「パロディ商標」が多数出現しており、その商標登録可能性が各国で議論されています。

パロディ商標の商標登録の有効性が争われた事件として記憶に新しいのが、世界的に著名な時計ブランドである「フランク・ミューラー」のパロディ商標である格安時計のブランド「フランク三浦」が類似商標か否かが争われたフランク三浦商標事件(知財高判平成28年4月12日)です。

本件において、知財高裁は、「フランク・ミューラー」と「フランク三浦」の商標とでは、呼称においては類似するとしつつ、結論としては、フランク三浦の商標登録を維持しました。

フランク・ミューラー側としては、パロディに自社製品の価値をおとしめられたくないと考えるのは当然ですが、他方で、多少のパロディ・シャレのレベルであれば、とやかく言うべきでもないとの考え方もありうるところで、その線引きには非常に難しいものがあります。

② ルイ・ヴィトン商標権侵害事件(コピー商品の商標権侵害)
誰もが知っている著名なファッションブランドであるルイ・ヴィトンが、模造品業者を訴えたのがルイ・ヴィトン商標権侵害事件(東京地判平成10年3月16日)です。

ルイ・ヴィトンが商標登録しているロゴ↓やいわゆるモノグラム・ラインと同一のものを、コピー商品約450点に使用して販売したことで、312万円の損害が生じたとして、ルイ・ヴィトンがコピー業者を訴えたものですが、コピー業者が出頭せず、欠席判決となっています。
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このように、コピー商品によって商標権侵害がされれば、損害賠償を請求することができます。

③ フレッドペリー商標事件(並行輸入が認められる3つの要件)

イギリス法人のフレッドペリーから日本における商標権の譲渡を受けたA社が、中国において製造されたシンガポール法人のO社製のフレッドペリー商標を使用した並行輸入品を日本で販売したB社に対し、商標権侵害を理由に損害賠償請求をした事案(最判平成15年2月27日)が、フレッドペリー商標事件です。

本件で、O社は、A社同様、フレッドペリーから商標権の使用許諾を得ていましたが、他方で、O社は、中国国内でフレッドペリー製品を製造することについては許諾されていませんでした。

本件判決は、「商標者以外の者が、我が国における商標権の指定商品と同一の商品につき、その登録商標と同一の商標を付したものを輸入する行為は、許諾を受けない限り、商標権を侵害する」、としつつ、

そのようないわゆる並行輸入品であっても、
「①当該商標が外国における商標権者又は当該商標権者から使用許諾を受けた者により適法に付されたものであり、

②当該外国における商標権者と我が国の商標権者とが同一人であるかまたは法律的もしくは経済的に同一人と同視しうるような関係があることにより、当該商標が我が国の登録商標と同一の出所を表示する者であって、

③我が国の商標権者が直接的にまたは間接的に当該商品の品質管理を行いうる立場にあることから、当該商品と我が国の商標権者が登録商標を付した商品とが当該登録商標の保証する品質において実質的に差異がないと評価される場合には、

いわゆる真正商品の並行輸入として、商標権侵害としての実質的違法性を欠く」
としました。

結論として、本件では、O社製フレッドペリーは、いわゆる真正商品の並行輸入とは認められないとされ、商標権侵害が認められています。

本件判決は、並行輸入が認められる3つの要件を明らかにしたものとして重要なものとされています。

(3) 不正競争防止法による保護

ノーパン喫茶ニナ・リッチ事件(著名商品等表示としての保護)

不正競争防止法2条1項2号は、「自己の商品等表示として他人の著名な商品等表示と同一若しくは類似のものを使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供する行為」を不正競争として禁止しています(著名商品等表示の保護)。

これは、いわゆるダイリューション(希釈化)行為(有名な商標(著名商標)について、他人がいろいろな商品やサービスに使用することにより、その著名商標の機能が弱められてしまうこと)から著名商品等表示を保持する事業者を保護しようとするものです。

原告は、フランスの著名ブランド「ニナ・リッチ」です。
被告は、「ニナ・リッチ」が、日本において優雅で高級なイメージを有することを利用して、経営するノーパン喫茶を「ニナ・リッチ」として看板等にその表示を使用しました。

原告が、被告に対して、「ニナ・リッチ」の表示の使用差止請求と1000万円の損害賠償請求を求めたのがノーパン喫茶ニナ・リッチ事件です(東京地判昭和59年1月13日)。

本判決は、被告の不正競争防止法違反を認めつつ、損害賠償の額について、1000万円の損害が生じたことは認めませんでした。
他方で、「被告らの行為により、原告の名声、信用が棄損され、また、原告が築いてきた「ニナ・リッチ」の表示に化体された高級なイメージが侵害されたことによる無形の損害が発生したものというべく、これを金銭評価すると、その金額は金100万円が相当である」としました。

商標権者は、指定商品、指定サービスについて登録商標を使用する権利を専有し、その類似範囲(商品(サービス)または商標が類似する範囲)において他人が使用することを商標権侵害として禁止することができますが、他方、指定商品、指定サービスに類似しない商品やサービスに、他人が登録商標を使用しても、商標権の侵害にはなりません。

本件では、被告は「ニナ・リッチ」の表示を、ファッション関係ではなく、ノーパン喫茶に用いたため、商標権の侵害には該当しませんでした。

このように、商標権侵害としては認められない場合であっても、不正競争防止法により禁止され、保護される場合があるわけです。


以上に見てきましたように、デザインやブランドイメージを保護するため、さまざまな法的主張がなしえます。

こうした法的保護を受けるためには、弁護士の関与は不可欠といえます。

また、弁理士その他の専門家と共同して戦略的に体制を整えることが重要です。

当事務所では、ファッション産業の法的保護に注力しております。

法的保護をこれから進めていきたいとお考えの方、他社から権利侵害を受けているとお感じの方、当事務所が、貴社のお手伝いをさせて頂きます。



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